高浜川水系油ヶ淵水質浄化促進行動計画2021-2030(油ヶ淵ルネッサンス計画)
愛知県と流域4市(安城市、碧南市、西尾市、高浜市)では、油ヶ淵水質浄化促進協議会をつくり、 油ヶ淵をきれいにしていくために様々な対策を行っています。
現在は、2021年度に策定した「高浜川水系油ヶ淵水質浄化促進行動計画2021-2030(油ヶ淵ルネッサンス計画)」に基づき、行政・市民が一体となって様々な水環境改善対策に取り組んでいます。
下記のリンク先では計画の詳細等がご覧いただけます。
策定の経緯
高度経済成長期以降、油ヶ淵は流域の都市化に伴い生活排水に起因する流入負荷が増大し、水の流出入の機会が乏しい閉鎖性水域であることから、全国的に見ても汚濁の進んだ湖沼となってしまいました。
このことから、愛知県と流域4市は、油ヶ淵の水質浄化を効率的にはかるため、1993年度に油ヶ淵水質浄化促進協議会をつくりました。そして、1994年度に水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンス21)を策定し、2000年度のCOD(75%値)8mg/L以下を目標として掲げ、下水道の整備や、 流入河川を流れる水を浄化する施設(河川直接浄化施設)の設置、湖のヘドロを取り除く(浚渫)工事等を行いました。
これらの対策によって、流入河川の水質は改善され、水質環境基準(河川C類型・BOD5mg/l以下)に近づきましたが、 油ヶ淵の水質は改善傾向にあるものの、2000年度の水質は
COD9.3mg/Lと依然として環境基準及び計画目標を上回っており、流域の水質汚濁の原因を検証し、新たに水質浄化施策を実施する必要がありました。
そこで、県と4市は、2004年度に第2期水環境改善緊急行動計画(清流ルネッサンスII)を策定し、水質目標を2010年度までにCOD8mg/L以下と設定して、さらなる水環境改善対策を実施しました。
その結果、目標年度である2010年度のCODは7.0mg/Lと目標を達成したため、2011年度に清流ルネッサンスUを改定し、2020年度までにCOD6mg/L以下を目標として、水環境改善対策を実施していましたが、目標達成の水準には到っていない状況でした。
このため、2021年4月に、2030年度を目標年度とする高浜川水系油ヶ淵水質浄化促進行動計画2021-2030(油ヶ淵ルネッサンス計画)を新たに策定し、これに基づいて引き続き水環境改善対策を実施しています。
油ヶ淵ルネッサンス計画の目標
油ヶ淵ルネッサンス計画では、総合的な水環境改善に向け、水質を改善し、水環境の改善に伴い、流域住民に潤いや安らぎの空間を提供し、また、生きものの良好な生息環境の創出を目指しています。
COD 6mg/L以下 | 将来的な環境基準の達成を考慮した水質レベル |
DO 3mg/L以上 | 水中の魚介類などが生息できるレベル |
透視度 30cm以上 | 水辺で湖底が見えるレベル |
透視度は、水の汚れを視覚を用いて計測したもので、親水性の他、光の届く深さと密接な関係があります。透視度が30cm以上の場合、藻などの沈水植物が生育できる範囲(生産層といいます。)は、約2〜3mとなります。
この領域では、沈水植物等の光合成による酸素の供給が行われることで底生生物の再生が可能となり、それらが懸濁有機物(汚れ)を捕食することで、湖内の負荷収支のバランスが保たれることが期待されます。
事業概要
油ヶ淵ルネッサンス計画では、2030年度までに目標水質を達成するため、地域住民と関係機関が一体となり、点源負荷対策、面源負荷対策、河川・湖内水質改善対策、水質監視、啓発活動などを総合的に推進しています。
対策の詳細はこちらをご覧ください。
対策の概要 |
各対策による削減負荷量のとりまとめ
※現況からの削減負荷量は、各計画の実績比率を用いて、今後の値を設定した。