湖底の泥の中に住む生きものたち
かつてはヤマトシジミが畑の肥料にするほど採れたといわれ、昭和37年度まではシジミ漁も行われていましたが、 現在は生息が確認されていません。平成4、5年度の調査によると、 油ヶ淵の中央付近では底生生物が生息していない地点もあり、 イトミミズやゴカイなど底質の汚濁に強い種の生息が確認されているのみです。沿岸付近ではフジツボ類、 水生昆虫などが確認されています。
平成17年度油ヶ淵・底生生物調査結果
油ヶ淵水環境モニタリングでは、湖内に生息する生物を調査し、湖内生物の生息環境がどの ように改善されているかを把握するために、「底生生物」「植物プランクトン」「水生植物」の3項 目の生物モニタリングを行っています。 平成17年度の調査結果を以下にお知らせします。
底生生物
油ヶ淵の湖底の泥を採取し、その泥の中に生息する生物についての調査を行いました。湖底 に生息する生物を調査することにより、その周辺の環境(水質環境、底質環境)をおおよそ把握 することができます。その結果、下の図に示すような生物が生息していました。これらの生物は 泥の比率が高く比較的汚濁が進んだところに多く生息するものです。
環形動物門 イトミミズ科 ユリミミズ属 |
環形動物門 イトゴカイ科 ノトマストゥス属 |
節足動物門 ユスリカ科 カユスリカ属 |
●より詳しい調査結果に関してはこちらから 平成17年度 底生生物調査結果
平成18年度油ヶ淵・底生生物調査結果
平成18年度の調査結果を以下にお知らせします。
底生生物
油ヶ淵の4地点(上池 2地点、下池 2地点)で湖底の泥を採取し、その泥の中に生息する生物 について調査した結果、平成17年度と同様に、比較的汚濁が進んだ場所で多くみられるイトミミズ 類やゴカイ類、ユスリカ類が多く採集されました。また、塩分に対する耐性が比較的強いとされる イトミミズ類のユリミミズ属やユスリカ類のカユスリカ属、海の内湾や干潟の砂泥域に出現するゴ カイ類のノトマストゥス属が採集されており、油ヶ淵の底生生物は海水の影響を受けていると考え られます。
イトミミズ類 環形動物門 イトミミズ科 ユリミミズ属 |
ゴカイ類 環形動物門 イトゴカイ科 ノトマストゥス属 |
ユスリカ類 節足動物門 ユスリカ科 カユスリカ属 |
●より詳しい調査結果に関してはこちらから 平成18年度 底生生物調査結果
平成19年度油ヶ淵・底生生物調査結果
平成19年度の調査結果を以下にお知らせします。
底生生物
油ケ淵の4地点で湖底の泥を採取し、その泥の中に生息する生物について調査した結果、平成17年 度、18年度と同様に、比較的汚濁が進んだ場所で多くみられるイトミミズ類やゴカイ類、ユスリカ類が多 く採集されました。また、冬季には、平成17年度に調査を開始して以来初めて、特定外来生物に指定さ れているカワヒバリガイが採集されました。
採集されたカワヒバリガイ |
●より詳しい調査結果に関してはこちらから 平成19年度 底生生物調査結果
平成20年度油ヶ淵・底生生物調査結果
油ケ淵水環境モニタリングでは、湖内に生息する生物を調査し、 湖内生物の生息環境がどのように改善されているかを把握するため、 平成20年度は「底生生物」「植物プランクトン」についてモニタリングを行いました。
底生生物
油ケ淵の4地点で湖底の泥を採取し、その泥の中に生息する生物について調査した結果、 平成17年度〜19年度と同様に、比較的汚濁が進んだ場所で多くみられるイトミミズ類やゴカイ類、 ユスリカ類が多く採集されました。平成19年度に減少したゴカイ類については、 1地点を除き再び採集されるようになりましたが、個体数は少ない状態となっています。 また、平成19年度に初めて採集された特定外来生物に指定されているカワヒバリガイは、 平成20年度は採集されませんでした。
イトミミズ科 ユリミミズ属 |
イトゴカイ科 ノトマストゥス属 |
ユスリカ科 カユスリカ属 |
●より詳しい調査結果に関してはこちらから 平成20年度 底生生物調査結果