水辺の植物たち
水辺の水生植物は、水質浄化機能をもっていたり、生物にとっての生息空間になったりするなど、
自然環境を維持する上で重要な役割を担っています。また、人々に潤いと安らぎを与える重要な役割も担っています。
油ヶ淵の湖岸では、治水対策としての築堤工事に併せて、アシの復元に取り組んでおり、湖岸延長の約70%に植生帯があります。
流入河川では、堤防にセイタカアワダチソウやススキなどの群落が見られますが、油ヶ淵合流地点付近のアシ原や
一部多自然型河川整備を行った区間を除いて、水際には板柵等の護岸があり、植生はみられません。また平瀬化した単調な河道が多く、
河川の持つ浄化作用や水生生物の生息空間としての機能が低下しているものと考えられます。
この対策として、近年大規模な河道改修を行った稗田川では水辺のエコトーンの再生に向けた多自然工法導入を図るとともに、
市民が参加して河畔林の再生を図る「水辺の緑の回廊整備」の取り組みを展開しており、新たな川づくりの方向性を示す典型となっています。
また、油ヶ淵に生息する沈水植物の9割以上はオオカナダモでした。オオカナダモは在来の生態系に多大な影響を及ぼす帰化植物に 指定されており、油ヶ淵で確認される在来種であるホザキノフサモ、クロモ、ヤナギモの生育を阻害する恐れがあります。
平成17年度油ヶ淵・水生生物調査結果
平成17年度の調査結果を以下にお知らせします。
水生植物
水辺の水生植物は、水質浄化機能をもっていたり、生物にとっての生息空間になったりする
など、自然環境を維持する上で重要な役割を担っています。また、人々に潤いと安らぎを与え
る重要な役割も担っています。
水生植物調査では、水生植物が最も生育する夏季に、植生移行帯(エコトーン)の生育状況
を調査しました。油ヶ淵の湖岸には、矢板護岸もみられましたが、下図のような、法面(湖岸の
斜面)から水辺まで陸生植物、抽水植物、沈水植物が分布した植生移行帯がみられる自然湖
岸が広がっていました。また、油ヶ淵に生息する沈水植物の9割以上はオオカナダモでした。
図 植生断面図 |
●より詳しい調査結果に関してはこちらから 平成17年度 水生植物調査結果(その1)
平成18年度油ヶ淵・水生生物調査結果
平成18年度の調査結果を以下にお知らせします。
水生生物
油ヶ淵の湖岸には、水辺から陸地まで沈水植物、抽水植物、陸生植物が連続的に生育する植物
移行帯(エコトーン)がみられます。こうした水辺の植物は、水質浄化機能を持っていたり、生物の生
息空間になるなど、自然環境を維持する上で重要な役割を担っています。また、水辺の景観として
人々に潤いと安らぎを与えます。
平成18年度の調査では、ウキヤガラ群落、ヒメガマ群落が新たに確認され、計25群落が確認され
ました。主な植物群落の面積を平成17年度と比較すると、乾燥した土壌に分布するセイタカアワダチ
ソウ群落、オギ群落の面積がやや増加し、一方、沈水植物のオオカナダモ群落の面積がやや減少し
ていました。水辺に分布するヨシ群落では、大きな面積の変化はみられませんでした。
また、上池東岸に位置するワンド部のヨシ群落内にはオオヨシキリの巣が確認され、生物の生息
環境として利用されていることが確認されました。
ウキヤガラ群落 | ヒメガマ群落 |
上池東岸 ワンド部のヨシ群落内でみられた オオヨシキリの巣 |
●より詳しい調査結果に関してはこちらから 平成18年度 水生植物調査結果
平成19年度油ヶ淵・水生植物調査結果
平成18年度の調査結果を以下にお知らせします。
水生生物
油ケ淵の湖岸には、水辺から陸地まで沈水植物、抽水植物、陸生植物が連続的に生育する植物移行
帯(エコトーン)がみられます。こうした水辺の植物は、水質浄化機能を持っていたり、生物の生息空間に
なるなど、自然環境を維持する上で重要な役割を担っています。また、水辺の景観として人々に潤いと安
らぎを与えます。
油ケ淵において面積の大きい植物群落は、水中ではオオカナダモ群落、陸上では水辺周辺に分布す
るヨシ群落と湖岸斜面など乾いた場所に分布するセイタカアワダチソウ群落ですが、平成18年度の面積と
比較するとオオカナダモ群落は大きく減少していました。また、ヨシ群落はやや減少、セイタカアワダチソウ
群落はやや増加していました。
●より詳しい調査結果に関してはこちらから 平成19年度 水生生物調査結果